お彼岸の準備とすることは?

お彼岸の準備と実行すべきこと | ギャラリーメモリア東京日本橋

お彼岸の過ごし方

お彼岸の準備と実行すべきこと

お彼岸の期間中には、主に準備と実行するべきことがありますので、以下に紹介します。

  • 準備:仏壇仏具の掃除
  • 1:お墓掃除・お参り
  • 2:お仏壇のお参り・お供え
  • 3:他家へのお参り・お供え(手土産)
  • 4:お寺主催の法要(彼岸会)への参加

浄土真宗の方はお彼岸に関する考え方が他の宗派と異なるため、詳細は<こちら>をご参照ください。

【準備】仏壇仏具の掃除

お彼岸当日に掃除をすると慌ただしくなりますので、なるべく事前に済ませておくと安心です。日頃の感謝を込めて、普段は省略してしまいがちな部分もしっかり掃除しましょう。長期間使用したことでお仏具が傷んでいる場合は、この機会に買い替えをご検討いただくのもおすすめです。

具体的な掃除方法

お仏壇の掃除は、【お仏具を外す→お仏壇内側・外側の埃を毛払いで払う→柔らかい布で乾拭きする→お仏具を元に戻す】の流れが基本です。飾り方に不安がある方は、掃除前にお仏壇の写真を撮って控えておくと安心です。

お仏具の掃除も乾拭きが基本ですが、材質によっては洗浄液や研磨剤が使用可能な場合もあります。ただし、長期間の使用により沈着した汚れはご家庭での対応が難しい場合もありますので、その際はプロのクリーニングサービスを利用するのもおすすめです。

1.お墓掃除・お参り

お彼岸には、家族揃ってお墓掃除とお墓参りに行きましょう。特にお子様と一緒にお墓参りに行くことは、ご先祖様を敬う気持ちを通して、人を大切にする心を育てることにも繋がるといわれています。

なぜ春秋のお彼岸にお墓参りをするの?

諸説ありますが、一説には「お浄土(あの世)との距離が最も近くなり、ご先祖様への想いが通じやすくなる時期である」という考えから、お彼岸時期のお墓参りが定着したといわれています。また、「農作業が小休止して生活に余裕がある時期であったことから、元々お彼岸の時期にお墓参りや死者の供養(先祖祭り)を行う慣習が根付いていた」という説もあります。

2.お仏壇のお参り・お供え

お墓だけでなく、ご自宅のお仏壇にも忘れずお参りとお供えをしましょう。お彼岸のお供えとして定番なのは、【季節の花、ぼた餅・おはぎ、彼岸団子、季節の果物、故人様が好きだった食べ物、精進料理】の6つです。

季節の花

お花は普段からお供えしますが、お彼岸時期はより盛大にお供えしましょう。花立が小さい場合には、別途大きい花立を用意してお仏壇のそばにお飾りします。お花を選ぶ際は、トゲや毒があったり香りが強いものは避けて、季節のお花や故人様が好んでいたお花をお供えするといいでしょう。

ぼた餅・おはぎ

春彼岸には「ぼた餅(牡丹餅)」、秋彼岸には「おはぎ(御萩)」をお供えする風習があります。お彼岸にぼた餅やおはぎを食べるようになった理由は諸説あります。一説には、小豆の赤は邪気を払う効果があることや、貴重な砂糖を使用したお菓子であることから、これらをお供えすることでご先祖様への感謝や家族円満を祈っていたといわれています。

彼岸団子(ひがんだんご)

お彼岸には、「彼岸団子」と呼ばれるお団子をお供えする風習がある地域もあります。お彼岸の初日(彼岸入り)に供える団子は「入り団子」、最終日(彼岸明け)に供える団子は「明け団子」と呼ばれ、地域によって形や積み方に違いが見られるのが特徴です。

季節の果物

果物は、「高杯(たかつき)」や「盛器(もりき)」と呼ばれる、お供え用の器(足が高くなっており、仏様への敬意を表すことができるもの)を使ってお供えします。長時間お供えしておくことも多いため、なるべく日持ちする種類の果物(リンゴやオレンジ、メロンなど)をお供えするのが望ましいでしょう。

故人様が好きだった食べ物

仏教の教えにのっとり、肉魚や生もの、お酒などは避けてお供えしましょう。ただし、近年は食べ物をかたどったローソクも多く登場しており、本来はお供えすべきでないとされていたお寿司やお酒などもお供えできるようになっています。

精進料理

肉や魚介類を使わずに作った精進料理は、お彼岸やお盆における定番のお供物です。お仏壇にお供えする際は「御料具膳(おりょうぐぜん)」と呼ばれる小型のお膳を使用すると丁寧です。近年は、水を加えて電子レンジで温めるだけで手軽に作れる、フリーズドライタイプの精進料理セットも人気です。汁物・漬物・煮物・和え物が入っており、ご飯以外はこれ一つでまかなえます。また、お供えの際使用する「御霊供膳」は5つの器と箸がセットになっており、お仏壇や葬儀後の後飾り祭壇、盆棚などに飾って使用します。

お彼岸にも仏壇飾りをするべき?

結論、お彼岸専用の飾りはありませんので、特段の仏壇飾りは不要です。基本的にはお仏壇にはお供え物をするだけで問題はありません。一方で、浄土真宗と日蓮宗を除く宗派では、「十三仏(じゅうさんぶつ)」と呼ばれる掛軸をお仏壇周りに飾る場合があります。十三仏は、亡くなられた方を三十三回忌まで見守ってくださる13人の仏様が描かれた掛軸です。お盆やお彼岸、ご法事などの特別な場でお飾りします。十三仏の掛軸は、壁に吊り下げる伝統調から、場所を取らないスタンド型のモダン調まで幅広く展開しております。お部屋の雰囲気に合わせてお飾りが可能です。

3.他家へのお参り・お供え(手土産)

地域によっては、お墓参りやお仏壇参りを兼ねて他家に訪問する風習もあります。その際は、手土産(お供え)も一緒に持って行く形が基本です。

定番のお供え・手土産の相場

定番のお供え物としては、進物線香や菓子折りなどの日持ちする消えもの、果物の籠盛、香典(現金)などがございます。相手との関係性によっても異なりますが、一般的な手土産相場は、通常のお彼岸なら【3千円~5千円程度】、初彼岸※なら【5千円~1万円程度】とされています。

訪問時のマナー2選

  • 事前に訪問しても大丈夫な日を伺っておく
  • 手土産には掛け紙(のし)を付ける

お彼岸のお供えには、白黒または双銀の水引が付いた掛け紙を使用します。表書きは、忌明け前は「御霊前」、忌明け後なら「御仏前」、シーン問わずであれば「御供」と記し、その真下にフルネームで自分の名前を記すのがマナーです。

直接訪問できない時は、郵送で気持ちを伝えましょう

もし直接の訪問が厳しい場合には、お供え物を郵送して気持ちを伝えることも可能です。お供え物を郵送する場合にはお線香(進物線香)を選ばれる方が多く、一緒にメッセージカードやお手紙を添えて送る形が定番です。もし香典も一緒に送りたい場合は、「現金書留」で発送いただく必要がありますのでご注意ください。

4.お寺主催の法要(彼岸会)に参加

お彼岸時期には、「彼岸会(ひがんえ)」と呼ばれる、ご先祖様の供養法要を執り行うお寺もあります。基本的にはお寺の敷地内で行われますが、地域やお寺の考えによっては、ご自宅に僧侶をお招きして個別法要を行う場合もございます。

彼岸法要のお布施相場・渡し方は?

法要に参加する際には、僧侶へのお礼としてお布施を持参するのが基本です。お寺の考えによっても異なりますが、一般的なお布施相場は、お寺での合同法要(彼岸会)なら【3千円~1万円程度】、自宅での個別法要なら【3万円~5万円程度+御車代(交通費)5千円~1万円程度】とされています。

お金は、奉書紙(ほうしょし)または無地の白封筒に入れ、表書きは「お布施」または「御布施」と書きます。お布施を持ち運ぶ際は「袱紗(ふくさ)」と呼ばれる布で包み、渡すタイミングで袋から取りだすのがマナーです。

浄土真宗のお彼岸とは?何をする?

浄土真宗は他の宗派と考えが異なり、亡くなられた方の魂はすぐに成仏して仏様になると考えられているため、お彼岸時期の先祖供養(お墓参りやお供え)は一般的には行いません。また、他の宗派ではお彼岸時期に悟りを開くための修行(六波羅蜜の実践)が推奨されていますが、浄土真宗では「念仏を唱えれば誰でも阿弥陀様の慈悲の力(他力)によって救われる」という考えがあるため、これらの修行も基本は行いません。

その代わり、浄土真宗ではお寺で開かれる彼岸法要(「讃仏会(さんぶつえ)」とも呼ばれる)に参加して法話を聴聞し、仏様への感謝や祈りをささげて過ごすと良いとされています。そのほか、日ごろの感謝を込めてお仏壇のお掃除をしたり、いつもより豪華なお供えをして差し上げるのもよいでしょう。